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考え事11~三つ目の時計

「犯罪の被害に遭ったときから被害者は二つの時計を持つようになる」、ある被害者の言葉です。一つ目の時計は、事件から止まって動きません。5年たっても10年たっても、それは事件の時を示していて、そこから一歩も前に進まない時計です。にもかかわらず、もう一つの時計は容赦なく時を刻みます。例えば家族を犯罪で亡くした人でも忌が明ければ香典返しを送らなくてはいけないし、お世話になった方々に挨拶もしなくてはいけません。何年か経てば、引っ越したり、職業を変えたり、自分たちが生活を変えることを余儀なくされることもあります。現実の都会は他の人と変わりなく進んでいきます。

小西聖子『新版 トラウマの心理学 心の傷と向き合う方法』 P17より


引用の通り、犯罪の被害者は、二つの時計を持つようになります。
時がたてばたつほど、この二つの時計の指す時間に差が開き、
被害者はその残酷さに再び傷つけられ、悩むこともあるでしょう。

でも私は最近、被害者の持つ時計がこの二つだけではなく、
もう一つ、新しい時計を持つことができると気付きました。


3つ目の時計は、最初は一つ目の時計と同じように
被害の時刻を指したまま止まっています。
しばらくは一つ目の時計と区別はつかないでしょうし、
その存在に気付くことも被害後すぐにはないでしょう。

けれど、ある機会を境に、この3つ目の時計は
ほんの少しずつ被害者それぞれのペースで時を刻むことを始めます。

二つ目の時計にはとても追いつかなくても、
一旦進んだ針が後戻りすることがあっても、
再び同じ時間を針が指したまま止まることがあっても、
本当にゆっくりと少しずつ、その人のペースで回復していく時を刻みます。

中には三つ目の時計がどんどん進んでいって二つ目の時計に追い付く方も
いらっしゃるかも知れません。

犯罪被害者は二つ目の時計に追い付くこと、追いつかねばならないこと、
それに翻弄されてしまい、周りからもそうすることを求められ、
一方で自分の中にあり続ける一つ目の時計を忘れられないこと、
そのギャップも辛いと感じていると思います。

一つ目の時計をなくしてしまえば辛さがなくなるのかと言えば、
私はそうは思いません。
一つ目の時計は大切に自分の心の中に持ち続けていいと思います。

そして、自分のペースで時を刻む三つ目の時計と共に
生きていけばよいと思います。
必ずしも人と同じように二つ目の時計と同じ時を刻まなくてよいと思います。

私も今は、日常では二つ目の時計に追われつつありますが、
一つ目の時計を大事にして、ときどき時間のあるときに取り出して眺めています。
そして、3つ目の時計が刻むペースで、
私なりの回復、私なりの社会への関わり方、私なりの人付き合いをしています。

みなさんも自分の中にある三つ目の時計を感じてみてください。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

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テーマ : 日記
ジャンル : 心と身体

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